カヤック工房開設10年が過ぎて
早いもので工房を始めてから10年が経とうとしている。その間、基本的に同じ構造で同じ工法のシーカヤックを飽きもせず作り続けてまいりました。何十艇も製作しているうちに工程も微妙に変化してまいりました。QC活動ではありませんが堅実な艇を作るうえで押さえるべき要所は気合を入れつつも手を抜ける所は過剰に工数をかけないように致しました。艇も細かい設計変更を繰り返し強度不足な部分は補強しつつも極力板厚を落としビームを減らしてまいりました。
その結果10年前と比べてより軽くて端正な艇が少ない工数で製作可能になりました。
ただ、手作り仕事の宿命としまして一度ブランクがあるとすぐミスを犯しがちになりますので、今後も地道に造艇活動を続けていきたいと思います。
また、プロの木造船大工がほぼ絶滅状態の現在、工作教室を通じて 木の舟を作る という活動を次世代に残せたらと思っております。
自己紹介
今後の抱負
カヤックデザイン工房オオタケデザイン 大嶽浩之
カヤックとの出会い
アウトドア業界の諸先輩方の多くがそうであるように自分も大学から社会人まで山屋でした。会社員をしながら冬山や沢登りを楽しんでおりましたが、沼津にUターンで帰る事となりそんな時に出会ったのがシーカヤックでした。
色々調べますと合板で自作出来る事を知り、七里ヶ浜へ行ってキットを購入して製作致しました。しかしながら米国製のキットの艇は身長160の自分には大きさや長さを持て余しぎみでした。
カーデザインの仕事で4mぐらいの大きなフリーカーブの図面を引く事に抵抗がありませんでしたし、エポキシ系構造接着作業やFRP作業、ウレタン吹付け塗装など経験ありましたので、それなら自分で設計して試作してみよう!という事で現在に至っております。